先週は脱線しましたが、シリーズでお送りしております失敗談・後悔。今回は収納関連。
家をきれいに保ちたい方(特に奥さま)にとっては収納は大切。 最近は日々の忙しさや、災害の意識も高まり、ストックするものも増えています。何でも気軽に手に入り、物にあふれる世の中…。収納スペースはある程度確保しておきたいものです。
収納の設計の参考に…また、使いやすい収納とはどんなものかのヒントも見つけてもらえたらとも思います。
収納スペースが少ない
潔く捨てられる方は収納はあまり要らない。と言われますが、やはり物は暮らしているとドンドン増えていきます。収納をたっぷりと作った家でも、お邪魔すると物があふれかえっていることはよくあります。年齢が高くなると、余計に…恥じらいも何もなくなってしまうのも特徴です。
特にリビングダイニングは生活のあらゆるシーンで使うもの、テレビの周辺で使うもの、それ以外にも郵便物、子供のおもちゃ、学校から持ち帰ったもの、買ってきた食材…毎日のように片付けないと、いろんなものがごった返してしまいます。
解決策
収納は基本的に使う場所に近いところに納める。これが大切です。そのため、リビングには大きな収納を希望される方が多いです。大容量の作り付けテレビボードもよく設計します。
テレビボード横の棚作り中。
これに扉が付きます。※扉は木製だとリモコンの赤外線が飛びません。DVDデッキなど置く部分はガラスやアクリル入り、もしくはルーバーをオススメします。扉ナシ!でも良いですが、小さいお子さんがいると対策が必要です。
坪数に余裕のある方はパントリーを作ると良いです。料理を作る時に多少行き来する動線が必要なものの、ダイニングがスッキリし、食材のストックを確認する時にも便利です。
少しでも坪数を少なくしないと…という方は階段下に収納を設ける、キッチンによってはリビングに面している側を収納にすることもできますし、キッチンの背面収納も大容量のものがあるので、キッチン選びの際にカタログでチェックしてみてください。
リビングダイニング以外では、子供部屋などならばロフトの下にクローゼットを作るのも坪数削減に繋がります。あとは移動できる棚を造作で作ってもらうと、大きな子供部屋を将来間仕切るように使うこともできます。
土間収納を作ればよかった
将来を見据えた設計のお話でも書きましたが、雨にさらされない場所に置きたいけれど、部屋の中には上げたくない。屋根のあるカーポートなどがあればいいのですが、外から丸見えだったり、盗難の心配もある。部屋の中には上げたくないが、外に出しておくはちょっと…というものが想像以上にたくさんあります。
例えば…
ベビーカー、バギー、自転車、車いす、手押し車、灯油タンク、冬用タイヤ、外用ほうき、洗車用具、日曜大工の工具、ガーデニング用品、ゴルフバッグ、スノボ用品、外で遊ぶボールやラケット、砂場セット、こいのぼり、頻繁に回収のないゴミ(ペットボトル・ダンボール・金属ゴミなど)
どうでしょうか?置き場はありますか?
解決策
もちろん外部においても良いものもありますし、外に物置きを建てる。目隠しの塀を作るのも一つです。
ただ、日光にさらされたり、高温になることは覚悟しなければいけません。
ロフト・小屋裏
部屋をなるべく大きくとって、収納は小屋裏にまとめよう!という方もいます。ただ、小屋裏はめったに出さないものの収納にあてるのが一般的です。年に1回くらいの使用頻度のもの…我が家ではキャンプ用品とか、スノーボードの板、雛飾りくらいしか入れていません。
下の階段を見れば分かるとは思いますが、重たいもの、大きいもの、傾けると良くないものを片付けるには不向きです。雛飾り…年を取ったらキビシイ作業です。
解決策
どうしても小屋裏にということなら、棚兼用の階段など、頑丈な階段を作る。あるいは、屋根の形の回に書いたような、への字屋根や大屋根にして、2階のフロアと続きで(階段を上がらずして)入れる小屋裏を作るのも手です。天井高1.4M以下ならば小屋裏になります。
設計ミス
入れたいタンスが入らなかった。ハンガー掛けの高さが身長に合わなかった。棚の奥行があり、使いづらいなど、ちょっとした設計ミスも気を付けましょう。
解決策
今住んでいる家を見回って、クローゼットに入れたいタンス、収納ボックスのサイズ、収納するものの量、種類など、コピーした図面に書き出すと良いです。
棚の高さ、ハンガー掛けの高さなどは事前に伝えてもらえない限り、大工さんは一般的な高さ(1800mm前後)に留めてしまいます。後で変更したくても、壁に余計な穴が空いたり、壁紙がなかったりすることもあるので(棚を付けた後にクロスを貼った場合)、内装工事が始まる前に指示をください。
写真の左奥の棚の下は、収納ボックスを置くのも良し、扇風機などをしまえる高さならなお良し。
洋室ばかりの家で忘れがちなのが客用布団、季節外の掛け布団などの収納スペース。床に直置きでは湿気を吸うので、すのこを置くなど通気性を良くして棚の上にのせるのがベストです。
窓があると昼間明るいですが、服など日焼けには気を付けましょう。
通り道に物が置けない
ウォークインクローゼットを作った方から、歩くスペースを作っておかなければいけないため、思ったほど物が収納できないということを聞きます。
お義兄さんのこの記事でも憧れだったウォークインクローゼットをやめた旨がかいてあります。
解決策
ハンガー掛けだけでなく、棚などを作っておくと良です。棚がないと、ダンボールを積み置きしていく以外、床に物が広がっていくことになるからです。
引き出し式の収納ボックス、タンスを置けば、引き出すスペースが通るスペースを兼ねられるので合理的かと思います。
ウォークインクローゼットといえば最近、こんな希望がありました。
鏡を埋め込んだ引き戸です。(これは土間収納ですが…)中側にも外側にも鏡を埋め込んであります。ウォークイン内に鏡を置くスペースもいらないし、出入り口なので鏡の前が物で塞がれる心配もない。この鏡の位置、他の方にも勧めていこうと思いました。
ただし、ウォークインの内部に電気は必須です。(扉を閉めないと鏡は使えない=外部の光が入らないので)
家の中には思っている以上にモノがあります。
- 家の中のしまいたいモノの量を把握する。
- どこで何を使うか想像し、なるべく使う場所に近い場所に納める。
- 新居に持っていくタンス、収納BOXなどの寸法を測り、図面と照らし合わせる。
- 寸法を指定したい場合、現場代理人さんに早めに伝える。
このあたりを意識しながら、後悔のない収納づくりに役立てていただければと思います。
参考までに…
後悔・失敗談。。解決策も。のシリーズ、まとめておきます。
最近の傾向などを書き足したり、画像を加えて分かりやすくしたりもしています。