家を建てようと思った時、まずどうしますか?ハウスメーカーの展示場へ行く…
これは誰もが思いつくと思うのですが、近所の工務店も気になりませんか?
そもそもハウスメーカーと工務店は何が違うんでしょう?
それぞれのメリット・デメリットをまとめます。
ハウスメーカーの特徴、メリット・デメリット
正式な定義はありませんが、全国展開している大きな建築会社のことです。
ハウスメーカーのメリットはやはり信頼のおける住宅をつくるため、軽量鉄骨や金物工法など、独自の工法で頑丈な家を建てています。豪雨災害の時に1軒だけぽつんと残った家はハウスメーカーの家だったというのは有名な話です。
あと、工期が早いです。工場であらかた作って現場入れするメーカーは特に、1日で3階建てが建ちます!外壁や窓も付いた状態の箱をクレーンで持ち上げ、並べてくっつけていくので、外観は1日で出来上がるのです。次の日から内装工事にとりかかり、3ヶ月くらいで引渡しできるのではないでしょうか。
箱のように組み上げていかないメーカーであっても、いくつもの工務店を下請けに持っているので、人員も確保しやすいです。しかし、腕を選ぶことは出来ず、工務店自身の仕事がない、腕の悪い工務店ほどハウスメーカーの仕事の下請けをしているとも言えます。
高いというイメージを誰もが持っていると思いますが、その通り。ブランド価値。と、宣伝・広告費や、営業・研究にお金をかけている分、高いです。
全国展開しているため、統一された価格表が存在するので、規格化された家に”これを付けて欲しい”などの希望はオプションとして金額が加算されていきます。そのため、最初はあれもこれもと夢を抱いていても、予算を削るためにあれもこれも諦めていくことになりかねません。
ハウスメーカーに違約金を払って、ウチの工務店に来たお客さんがいたんですが、上棟式の打合せなどをしていた頃、
「サッシの色はどれにしますか?」
「え?契約後なのに変更できるんですか?」、
部屋の間仕切り壁が付いて、部屋のイメージができやすくなった頃、
「この辺りにニッチ付けますか?」
「オプションの追い金とか掛かるんですよね?」
「いや、そんなのお金取りませんよ。」
こんな会話をしました。工務店にもよるかもしれませんが…ハウスメーカーでは契約後の変更はできなかったんでしょうね。
工務店は相談しながら家を建てるところなんですが、ハウスメーカーは家を買うところなんです。
- ブランド志向だ
- お金をかけて頑丈な家をつくりたい。
- 悩まずスパッと決断できる。
- 家づくりに特殊な希望がなく、一般的な家で良い。
- 早く家が欲しい。
- 3階建てを建てたい
住宅メーカーはこんな人向きです。
先に述べていませんでしたが、3階建ては木造を専門としている工務店には苦手なところが多いです。確認申請に構造計算などの膨大な書類が必要になってくるため、やりたがらないのが正直なところですし、ハウスメーカーより割高になる可能性もあります。
3階建てが希望の方は鉄骨造、2×4(枠組工法)などで3階建てに慣れているハウスメーカーにお願いすると良いと思います。
ハウスメーカーの展示場
ハウスメーカーは工務店と違って窓口がオープンで、展示場へは予約なしで気軽な気持ちで行けます。
見積を出してもらいたい会社が決まっていれば予約をしてから行った方が説明も丁寧で、細かい見積もりを出してもらえると思います。
工務店にお願いしたいと思っている方も、一度見学して、見積もりを出してもらうと参考になったり、比較できるので良いと思います。しかし、その後の営業攻撃は覚悟してください。来場者アンケートを書くと…長いお付き合いが始まります。
実は私も2年ほど前、同業ということを隠し(とはいえ、アンケートの職業欄は”会社員”と本当のことを書きましたよ!)、”トミカ・プラレールわくわくパーク”目当てに行ったことがあります。
2社の家をちょっと覗いただけなのに、2年経った今でさえ2社ともDMが頻繁に来ます。1社なんて月に2回はDMが届きます。電話とアポなし訪問もありました。
アンケートには実家の住所を書き、「今は同居してるんですが、ゆくゆくは家を出たいと思ってまして…親には内緒なんですけどね。」と、家にDMや訪問は困る感を出したにもかかわらず、2社ともお構いなしでした。
見学のみであれば、アンケートを断る! 例えば…
『インテリアの参考にしたいだけなんですけど…』
『展示場の催し目当てで来たので建てる気はないのですが、こんな機会なので見せてもらいたくて』
『いろんなところを回ってみて、よく考えてからにしたいんですが…』
など、アンケートをなんとか断ってみてください。営業さんは今住んでいる家についてなど、詳しいことを聞いてくることが多いので、適当な嘘だと自分も同行した家族も苦しくなるので、無理のない理由にしておいた方が良いです。
工務店の特徴、メリット・デメリット
こちらも正式な定義はありませんが、ざっくり言うと工務店は地域に根差した中小の建築会社です。
地域に根差している分、その地域の気候や風習も理解しており、その地域らしいアドバイスがもらえます。設備など関連の業者も近い場所にいるため、何かのトラブルがあったときなどにも、人さえいれば対応が早いです。
県産材で家を建て、一定の条件を満たすと補助金をもらえる制度(各県で名称が違うので、『○○県 県産材 住宅補助』で検索してみてください)もあり、そういった制度を活用したい方は地元の工務店に相談した方が良いと思います。材木屋、製材もやっている工務店ならなお良いです。全国一括で材料を仕入れるハウスメーカーには難しいことだと思います。
人事異動や退職などで担当者が変わることもハウスメーカーほど多くなく、引渡し後もアフターフォローが手厚いです。工務店は宣伝や広告が少ない分、過去に建てたお客さんからのリフォーム依頼や紹介などでお仕事をいただくことが多いため、アフターフォローを大切にしています。
デメリットと言えば、中小企業であるがゆえに倒産の可能性がゼロではないことでしょうか。
他には価格がどんぶり勘定。細々と見積されるハウスメーカーより、“一式”、“諸経費”などざっくりしている部分が多いと思います。最初にそういった項目で少し高めに見積もりをしておいて、後で設備のグレードを上げたり、想定外のことが起きた時に対処するためです。
- こだわりのある家が建てたい。
- 家のイメージが湧かず、建てる前に全てを決めるのは不安だ。
- 建てている途中でも、気になるところは変更して欲しい。
- 細かいところまで自分たちで決めたい。
- 住み始めてからも心配なことなど、気軽に相談にのってもらいたい。
こんな方は工務店に相談してみると良いと思います。
工務店の探し方、工務店とどうコンタクトを取る??
工務店が良いと思っても、宣伝・広告をあまりしない工務店とどうコンタクトを取るのか…
工務店だって、たまに宣伝・広告をするのです。それは完成内覧会!展示会とも言います。
家が完成後、お施主さんのご好意で家を一般公開してもらうのです。展示場を持たない分、展示会はその工務店の作った家を見られる貴重な機会です。そういう機会に足を運び、家の見学、担当者と話してみてください。新聞を取っていないお家ならば、HPをこまめにチェックしたり、フリーペーパーなどから情報を得るのが良いと思います。
工務店にはそれぞれ独自のこだわりがあります。もっと言えば設計担当者によっても家のテイストが全然違います。私のいる会社でも日本建築らしい家、モダンな家、低予算な家など様々です。一つの展示会で判断せず、過去の建築事例を見せてもらうと、好みに合った家が見つかり、その担当者を指名することもできます。
こだわりがあるといっても、頼まれればハウスメーカーっぽい家を建てることも可能ですし、”街中のこの家のような感じ”という相談にものります。
なお、展示会でもアンケートはたいていあります。こちらのアンケートはお施主さんの防犯面も考慮し、拒否はしないで欲しいです。来場者が新築希望者だけではなく、ご近所の方や、過去のお施主さん、打合せ途中の方などのため、内容も浅く、ハウスメーカーほど細かいものではないことが多いです。
営業も会社によって違うとは思いますが、大量のDMを送るとか、電話や訪問があるとかはそれほどないと思います。
工務店にお願いしたいけれど展示会の情報もなく、どこに相談すればいいか分からない方は、仲介してくれる会社を探すと良いです。近年、地域の工務店十数社と提携を組み、好みに合う工務店を探し、設計コンペをしてくれる会社が出てきています。そういった会社に相談するのも一つです。
ネットでハウスメーカー・工務店を検索
ネットでどこか良い建築会社を探せないかな?という方は、「持ち家計画」というサイトは、地域別にハウスメーカーや工務店の検索ができ、そのまま一括で資料請求をすることができます。
まだどんなハウスメーカーや工務店があるのか知らないという方は出会いの手段の一つとして良いと思います。
義兄が選んだフリーダムアーキテクツデザイン
好きなテイストの家がある!!という方は、フリーダムのように好きなテイストの設計事務所にコンタクトを取って工務店を紹介してもらうのも良いと思います。フリーダムは自社で建物を設計した後、地元の工務店数社の相見積もりを取って、合う工務店と結びつけてくれるそうです。
お義兄さんのところもそうですが、まわりの家とは一味違う、デザイナーズ!な家が建つと思います。