家を建てるキッカケのひとつに『結婚』や、『子供が出来た』というのがあると思います。やはりお施主さんでも結婚・出産を機にという方はたくさんいます。
そういう方たちがよく考えるのが「子供が出来た時のために…」とか、「子供のために…」という設計。
参考のためにどんなものがあるか紹介したいと思います。
将来間仕切る大きな子供部屋
これはたくさんの方から要望を受けます。たいてい2階に、9帖~16帖くらいの大きな部屋を作っておき、将来間仕切りを作って2つの子供部屋にするというものです。この場合、ドアを2つ作っておけば、壁を作るだけの工事になるので、1日~2日で出来上がります。
大きな子供部屋を作る際は床を傷つきにくく、怪我もしにくく、音も抑えられる、クッションフロアにする方もいます。
電気を消すと星空が広がる天井の壁紙にされる方もいました。
クローゼットを2つ作っておくのも良いですが、可動式の棚などがあると軽い間仕切り、目隠しにもできたり、アレンジも楽しめます。
子供が小さいうちは物置き。目を離しても遊べるくらいになったら遊びのスペース。小学生を過ぎたころから勉強部屋・寝室にする方が多いです。最近は勉強スペースをリビングやダイニングに作り、荷物・洋服の置き場と寝室のみという使い方をする方も多くなりました。
近頃は宿題を親がみてやり、丸付けもしなければいけないようですし、連絡帳やプリント類の確認などもあり、勉強スペースもランドセル置き場も親の目の届くところの方が都合がいいかもしれません。
↑リビングに設けた勉強スペース。
子供部屋を将来間仕切って2部屋にすると言いますが…3人子供が欲しいと考えている方&授かっちゃった方はどうしているかというと…
・納戸・物置き部屋を作っておき、空け渡す。
・書斎を空け渡す。
・小屋裏収納を部屋にする。(現状小屋裏がない場合も階高がとれるようなら新たに作ることも…)
・夫婦の寝室を空け渡す。(→夫婦は1階の和室などへ移動)
など…方法はいろいろあります。
子供は大学進学・結婚などで出て行ってしまうので、あまり大きくなくて良いという方、結婚してお嫁さんが同居することを見越し、大きめの部屋にされる方…広さも様々です。
吹き抜け空間に部屋を作る
リビングなどに吹き抜けを作り、1820mmピッチ、もしくは910mmピッチで化粧梁を入れておきます。
実際に施工した例です。子供が小さい頃は化粧梁にブランコをぶら下げたりしてもいいでしょう。
子供部屋が欲しくなってきたら、化粧梁の上に合板を張り、床を作り、割と簡単に吹き抜け空間を部屋に変えられます。この場合、もともと部屋を作っていない分、節税対策にもなります。
土間収納を作る
ベビーカー・バギーは外で使うものではありますが、雨にさらされない場所に置く必要があります。屋根のある屋外…カーポートの下などでもいいのですが、盗難の心配もあります。
それもあって玄関土間にベビーカーなどの置き場を設けたいという方もがいます。確かにベビーカーの置き場には我が家も困りました。他にも外で遊ぶボールや砂場セットを置くのにも便利です。
将来、自転車置き場、車いす置き場、お年寄りの手押し車の置き場にもなります。そうするのであれば、玄関からスロープを作っておくと良いでしょう。そこまで考えないという方は、上にポールを渡しておけばコート掛けなどに利用できて便利です。
他にも灯油タンク、冬用タイヤ、外用ほうき、洗車用具、日曜大工の工具、ゴルフバッグ、スノボ用品など、割と部屋の中には上げたくないが、外に出しておくはちょっと…というものはたくさんあります。玄関の土間収納はベビーカー置き場だけでなく、色々なものの置き場として使えます。
反抗期対策
反抗期対策としてよくあるのが、リビングに階段を付けるというもの。
帰ってきたことがわかるように。知らないうちに友達や恋人を部屋にあげないように。などのために考える方が多いです。
逆の方もいました。「自分が嫌だったので、反抗期に好き勝手出来るように、階段をもう一つ作って欲しい。」という希望です。この方はご夫婦共夜勤のある仕事で気遣いのためにという別の目的もありました。
ピアノを置く場所
子供の習い事で多いピアノ。ピアノを置く予定がある場合、場所を事前に決めておくと良いです。というのも、ピアノは200kgを超える重さがあります。床補強をしておくと安心です。
壁に仕掛けをする
リビングには
「子供の絵を飾りたいので、ピクチャーレールを付けて欲しい。」
「絵やプリントなどを貼りたいのでコルクボードを付けて欲しい。」
「タカラのホーローパネルを貼って欲しい。」
という要望がありました。皆さんに共通するのが、飾りたい&貼りたいが、壁に極力穴をあけたくない。ということです。タカラのホーローパネルは油性ペンでメモ書きしても水拭きでキレイに落とせる&マグネットがくっつくという特徴があります。
あとは、将来ランドセル置き場と教科書を立てられるような棚を作り付けで作ったり、ランドセルを掛けるフックを付けて欲しいというものもありました。
キッチンカウンターの下などに、ニッチを作って絵本を入れたいという方もいました。大きくなれば大人の新聞・雑誌入れ・飾り棚にもなります。
あと、写真でもわかりますが、頭を打ちそうなところを曲線で仕上げて欲しいという要望もあります。
まだまだある、楽しい仕掛け
子供部屋では、壁を一面、黒板にするというお家も最近聞きます。塗るだけの黒板塗料が出ています。オーソドックスな黒・深緑だけでなく、いろんな色のものがあります。
磁石のくっつく耐火ボードも発売され、壁一面、磁石がくっつく壁にできるようにもなりました。耐火ボードとは、壁紙を貼る前の下地材です。上に壁紙を貼って仕上げた後も、磁石がくっつく壁になります。
他にも階段下やロフトなどに秘密基地のようなスペースを作る。登り棒を付けたり、ボルダリングの壁を作ったり…
子供が喜ぶ仕掛けは考えているだけでも楽しいですね。子供である時間は短いですが、貴重な時間でもありますし、大人になった時のことも考えつつ、子供のための設計を考えてみてください。もしかすると、ひと世代後の孫のためにもなるかもしれませんね。