キッチンのメーカーごとの比較を書いている途中ではありますが、少し休憩。型について説明した時にも書いたのですが、型とともにダイニングテーブル、食器棚などの配置や、間取りの違いでも、家の雰囲気や使い心地などがずいぶん変わります。そのあたりをいくつか例をあげ、比較しながら説明してみようと思います。
I型とL型、配置は似ていても間取りがこんなに変わる
I型キッチンを選んだ方とL型キッチンを選んだ方の例。
「カウンタータイプにしてください」この要望で出来上がった間取りがこちら。
私の親戚が同時期に別々の工務店で家を建てたのですが、かなり似た間取りに出来上がってきました。I型・L型の違いだけで、キッチンの広さが全然違います。
I型キッチンを入れると、通路の両側にキッチン、食器棚と、いたってシンプルでコンパクトな配置に。壁はあるものの、LDKがひと続きの空間になりました。
L型キッチンを入れると、勝手口と食器棚分もキッチンのスペースが広がります。真ん中に作業台が置けるほどです。
構造の都合で壁も付き、エアコンの効きなども考慮してドアや引戸を付け、LDKが個々の部屋になりました。
ダイニングテーブルの配置だけでも空間が変わる
こちらはL型キッチンを壁向きに配置した例。ダイニングテーブルを一般的な 少し離れたところに配置にした場合と、キッチンにくっつけ、コの字に配置した場合の比較です。
コの字に配置すると、空間にゆとりが出ます。小さい子供がいる家庭では、遊ぶスペースが設けられます。
キッチンに立ちながらダイニングテーブルで子どもの宿題を見てあげたりもできます。食事を運ぶ距離も短く、食事中に冷蔵庫に物を取りに行ったりもスムーズです。
椅子の配置はやや無理がありますが、我が家のダイニングも今はこの配置。2歳の娘をいわゆる お誕生日席に座らせ、両側からパパ、ママが食事の世話をしています。
ダイニングテーブルの位置を替えるだけなので、家族の成長や人数に合わせて模様替えして楽しむのもいいですよね。
キッチンを間取りで目隠し
カウンタータイプにしなくても、手元が見えるのを防ぐ方法のひとつとして、間取りを使って目隠しする方法もあります。
お義兄さんのところもそうです。わざと間取りをいびつな形にすることで、部屋はひと続きであるものの、程よい目隠しになります。リビングの様子がよく見えないデメリットもありますが、デッキや中庭を設け、キッチンから見える景色を楽しむこともできます。
配置を考える上で気を付けたい点があります。コンロの位置です。ほとんどの場合、壁にくっついていることが分かると思います。
これは換気扇から外の換気口に短距離で接続したいのと、油はねを壁でガードするためです。換気ダクトを伸ばしたり、天井にダクトを這わせたりして、敢えてコンロを部屋の真ん中に付けることもできますが、油汚れはひどく、床など広範囲に及びます。
コの字の間取りでは隣に冷蔵庫があります。IHなら問題ないですが、ガスなら不燃壁から15㎝離すという消防法の決まりがあります。冷蔵庫とは…という記載はないのですが、冷蔵庫は特にホコリを寄せ付ける家電ですし、油汚れと一緒になるとまた厄介です。
引火の恐れもあり、冷蔵庫とは壁以上に離した方が良いです。冷蔵庫は収納棚より大きく飛び出るので、冷蔵庫を端に持って行きたいのはやまやまですが、シンクの隣にするか、コンロと冷蔵庫の間に不燃壁を設ける方が良いと思います。