ひとつ前の記事で、気になった点があったので、
フリーダムではないですが、いち工務店の立場として、お伝えしようと思います。
③図面通りだったか、材質やドアノブ等細かいところまで相違はなかったか
ハウスメーカーや、ある程度大きな工務店は、図面を一式作成してから、着工します。
ハウスメーカーは最初から自社製品があったり、お風呂やトイレ、お風呂、建具などのメーカーが決まっていることが多く、かなり正確な図面がもらえると思います。棚などのサイズやニッチの位置なども、シッカリと打合せた上で、図面になっているのではないでしょうか。
しかし、工務店では建てている最中にお施主さんの希望を聞きながら決めていきます。
なので、着工時の図面と出来上がりとの相違は日常茶飯事です。
“材質”や”ドアノブ”となると、展開図を見ていらっしゃるのだと思います。
展開図とは各部屋の北、東、南、西…と壁の面ごとに詳しくかいた図面で、平面図とともに、お施主さんに見てもらいたい図面です。
これを見ると
・窓が掃き出しなのか、そうでない窓(中窓)なのか。
・仕上がりの材料(天井:クロス、床:フローリング、床:無垢板など)
・造り付けの棚の寸法
などが分かります。しかし、この展開図は申請などに必要ではないため、用意しない会社も多くあります。逆に用意してくれる会社は丁寧で、それだけ手間をかけていると判断できます。
余談ですが、義兄さんの家で忘れられた、トイレのペーパー位置の下地補強も、展開図に記載することが多いです。(そこで、設計のミスか、大工さんのミスかが判断できてしまいます。)
このあってもなくても良い図面…ドアノブまで正確にかけるかと言われれば…
答えはNoです。
材質に関しては“無垢材”など、天然の木ではあるけれど、どんな種類の木なのか記載していなかったり、
使うCadやデータの更新状況によって実際に使う建具データがなく、ドアノブなど、似た物で代用することは良くあります。というか、図面作成時にはどこのメーカーの建具を使うかまだ決めていない場合もあると思います。
もっと言うと、お施主さんの選んだトイレによって、引き戸だったドアが、片開き戸になったこともありますし、実際に工事が進んでから変更して欲しいとの要望で、壁の位置が移動したことだってあります。(構造には関係のない位置だからできたことですが…)
材質やドアノブの形は、ご希望があれば伺いますが、わざわざ工務店から「材質はどうしますか?」「ドアノブはどんな形にしますか?」など質問することは少ないです。さすがに色は聞くことが多いですが…。
見積もり段階ではなかったお施主さんの要望を聞き入れ、価格が上がった分、お施主さんがこだわることのない部分(おそらく、こだわることがないであろう部分…材質や建具)を低価格なものに落とすということもあります。
こういった現状があるため、着工時の図面と出来上がりとの相違は日常茶飯事というわけです。
あと、展開図であったクレームとしてひとつ…
棚を付ける時に下地の枠を付けたり、金具を使って固定したりするのですが、その金具や下地枠が図面(展開図)に書いていないとのクレームがあったことがあります。
確かに存在感が出る金具もあります。
気になる方には気になるかもしれません…
しかし、そこまでの労力ももちろんかけていられないのが現状です。