建築現場のプロが語る

洗濯物のためのサンルーム メリット&デメリット 後悔しない家づくり

先週、部屋干し事情を記事にしたのですが、そこで出てきたサンルーム。

最近付ける家が増えているので、サンルームを付ける上でのメリット・デメリットを紹介しようと思います。

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サンルームとは

サンルームとは太陽の光を多く取り入れられるよう、屋根や壁面、開口部をガラス張りにした部屋のことです。

昔はテーブルやソファを配置し、優雅なティータイムを過したり、奥様が花の世話をするテラスのようなイメージでしたが、今では洗濯物を干しておく場所。というイメージで、設置される方もそういった目的の方がほとんどです。

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サンルームのメリット

サンルームを希望する方はこういったメリットがあるからです。

 

雨の日でも干しておける

最大のメリットはこれでしょう。天気に左右されないというのが良いところです。

夏場は特に朝晴れていても夕立やゲリラ豪雨など、天気の急変があり、せっかく乾いた洗濯物が濡れてしまうことを防げます。

 

また、雨の日は家の中に干す方が多いですが、特に決まった干し場がなく、家の中の掛けられるところに干すため、通路が狭くなったり、見栄えが悪かったり、家の中が湿ってしまったりします。サンルームがあれば、雨の日にも晴れの日と同じ場所に干せるため、干し場にも困りません

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毎日たくさんの洗濯物が出る家にはありがたいですね。ただ、雨の日にも乾く…というわけではないのでご注意を。

 

花粉や黄砂、PM2.5からも守れる

サンルームは外の花粉、黄砂、PM2.5などの大気汚染からも洗濯物を守ってくれます。火山灰などもですね。

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ただ、洗濯物を乾かすには風も必要です。なので、雨の日であってもサンルーム内の小窓は両側開けて、風が通るようにしておいた方が良いので、花粉などを完全にシャットアウトするのは難しいです。

小窓を開けるのが嫌なら換気扇を付ける必要があります。そうしないと乾きが悪いです。

 

鳥のフンなども防げる

オープンなウッドデッキやベランダでは鳥のフンが落ちてくることもあります。サンルームなら、鳥が迷い込まない限り、フン害には遭いません

 

盗難に遭いにくい

外部から侵入されにくいのもサンルームの特徴です。サンルームの接続しているリビングや勝手口なども二重のロックになるわけですから、狙われにくくなります。

 

暖房効率が良い

サンルームが風除室の役割を果たすので、サンルームと接続している部屋が外気の影響を受けにくく、部屋が暖まりやすいです。

昼間は特にサンルームで空気が温められるため、部屋の暖房にかかる費用が抑えられます。

 

サンルームのデメリット

人気のサンルームですが、デメリットもあります。デメリットの打開策も併せて紹介します。

 

冬は寒く、夏はとてもとても暑い

冬、日差しを受けている時間帯はポカポカと温かいですが、日差しが出ていない時間帯は外部同様寒い。夏は日差しをもろに受けるので相当暑いです。

 

リビングに接続してサンルームを作った友人の家は、夏、リビングの窓を開けると、サンルームで温められた空気がもわぁ~っとリビングに流れ込んできて、まるで岩盤浴の熱波を浴びているようでした。窓を正面にしか付けなかったのも原因の1つと思われます。

窓は左右に設けた方が風の流れができるのでおすすめです。寒暖差のある場合、結露もするので、やはり窓を開けて風通しを良くした方が良いです。

 

あと、屋根に熱線カットのポリカーボネート素材のものを選ぶと、暑さは大幅に変わります。(冬場は太陽が低い位置を通るので、屋根からというより、窓から日差しを受けることになるので、冬場にもっと寒くなるのでは…という心配はしなくても良いかと思います。)

他にもレースカーテンやシェードを付けている方もいます。暑さ対策でもあり、目隠しにもなります。床までの丈のものを付けてくださいね。

 

布団の干し場に困る

ほとんどのものがベランダのように手摺がないため、布団を掛けることができません。布団掛けの付いたタイプのものもあるので、それを選ぶか、ベランダを別に作る、布団干しを買うなどすることになります(スペースも結構とります)。

ベッドを使っている方でも掛布団や客用布団に困ります。布団をどこに干すかは考えてから設置をしましょう。

 

汚れが目立つ

一面ガラス(実際はポリカの部分もあります)は汚れも目立ち、ある程度掃除も必要です。

鳥のフンなどは洗濯物に落ちるのを防げる反面、べちゃっと屋根や窓に落とされます。黄砂や花粉も洗濯物に付かない分、サンルームの外回りに付きます。

雨で流れる汚れも多いので、そこまで神経質にならなくても良いかと思いますが、長く掃除をしなければ、透明なガラスが曇りガラスのようになってきます。

 

内側の汚れで言うと子供がガラスをベタベタと触る指紋。床は洗濯物から落ちるホコリや髪の毛の多さに驚く方も多いのではないかと思います。

 

固定資産税が上がる

サンルームは部屋とみなされるため、固定資産税の課税対象です。面積が広くなければそれほどバカ高くなるわけではないですが、できることなら税務署の調査が済んだ後に追加工事してもらうと節約になります。

 

景観を損なう

サンルームはリビングの掃出し窓に接続するように付ける方が多いです。しかし、リビングは土地の中でも日当たりがよく、景色のいい場所に設けるため、景観を損ねる可能性があります。リビングからの眺めが好きなのであれば、その位置にサンルームを作るのはもったいない気がします。

 

日当たりが悪い位置なら良くありませんが、脱衣所にドアを付けてサンルームと接続したり、キッチンの勝手口からというのも考えてみてはどうでしょう。脱衣所の近くに家族全員の洋服置場を作った家もありました。そういう部屋と接続すれば、洗濯物を干したり取り込んだりも効率が良いです。

 

外部からの視線が気になる

サンルームは最近の住宅に多く、キラキラと光るガラス張り。いやらしい気持ちなど何にもなくてもつい興味本位で視線が行く場所です。

なので道路に面した場所にドーンと付けるのはやめた方が良いです。どうしてもであれば目隠しにレースカーテンやシェードを付けると良いです。

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 サンルーム設置で後悔しないために

サンルームで後悔しないためにはメリットだけでなく、デメリットも考えながら、設置位置も現地に行ってチェックするなど慎重に考えてください。

 

ただ単に洗濯物を外に干したくないんだという方は、前回のこちらの記事で干し場所を検討してみてください。

ウッドデッキと迷っている方はこちらの記事も参考にしてみてください。

後悔のない家づくりの参考になれば幸いです。

 

ABOUT ME
YU
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おうちを建てたい注文者と工務店などのつなぎ役「現場代理人」という仕事をしています。注文者・設計士・大工・業者との打合せから材料発注、現場指示、管理など、円滑に施工完了までをサポートします。義兄のお手伝いでおうち作りのアドバイス記事を執筆中。 子供のことや、奥さん手作りの子供の知育おもちゃも紹介しています。