建築現場のプロが語る

家づくりにおける夫婦喧嘩 実例。ケンカにならない工夫

家を建てる時、どうしても避けて通れないのは夫婦間での意見の不一致

打ち合わせの席でもケンカ…まではいかずとも、ギクシャクしたりするもので…これから夫婦で長く暮らしていこうと思って家を建てるのに、激しいケンカは極力したくないですよね…

今まさに直面している方に、どの夫婦もケンカになるんだなぁ~とか、なるほど、こういう考え方もあるのか!とか、歩み寄りのキッカケにもして欲しいですし、こういう言い方をすれば理解してもらえるのか!など、参考までに書いてみたいと思います。

 

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書斎・趣味の部屋は必要??欲しい夫・いらない妻

まずコレ。書斎問題。もう少し幅を持たせて”趣味の部屋”もこれに含めましょう。たいていご主人から、「書斎が欲しいです。」「趣味の部屋とか…」と希望が出、「そんなもんいらないよ。」と奥さんにアッサリ切り捨てられるこの問題。

奥さんとしては

・床面積が増えると高くなる!

・本読んでるとこなんか見たことないけどっ!?

・私はないのに一人部屋を欲しがるのっ??

・一人で一体何をするの??

こんな思いがあるわけです。

 

ご主人はこの希望を伝える時、ちょっと言い方を変えれば少しは奥さんも理解してくれるのではないでしょうか?例えば…

「本とかまとめて置ける場所欲しくない?壁一面棚の。地震きた時、その部屋だけで被害おさまるじゃん?」(”書斎”という言葉を使わず、物の置き場アピール&地震対策も。)

 

「ちょっとテーブルとかもあると、集中して読むスペースとか、PCするスペースにもなるかもね。」(これで書斎の完成☆)

 

「お互いが自由に使える趣味の部屋みたいなの欲しくない?」「集中して作業できるとこ、ひと部屋作っとくと良くない?」など、自分一人の部屋じゃないんだアピール。(奥さんのミシンやアイロンが収納できると喜ばれるかも。)

 

「リビングだと散らかしっぱなしにできないし…狭めの部屋なら、暖房費も少なく済むんじゃない?」(「リビングで良くない?」と奥さんに言われたときには片付けの手間や光熱費節約をアピール。)

 

「子供が増えた時のことも考えてもう一部屋作っておいてもいいかもね…物置きにもなるし。」(勝手に書斎にカスタマイズしていくと怒られるかもしれませんが…w)

 

「マンガ喫茶みたいなスペース欲しくない??将来マッサージチェアとか置いてさ♪」(満喫デートが好きだった奥さんなら分かってくれるかも。)

 

物は言いようなのです。

”部屋”というよりは、”スペース”というと聞こえが良いです。

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これは家事スペース兼ファミリースペース。ほら、ミシンやアイロンも置いてあります。こういう名前・使い道だと奥さんも理解してくれそうですね。

 

 

寝室・書斎に鍵

ご主人の秘密ごとを隠したい気持ちは分かるものの、 円満な家庭に鍵を付けたい…これは奥さんの不信感ハンパない問題です。

・鍵を付けた部屋で何するの??

・隠し事でもあるのかしらっ???

そりゃそう思います。そんな時は…

「誰かに寝室を覗かれないように」(奥さんへの愛をアピール。同居する父母、子供対策にも。)

 

「子供が年頃になってグレた時…親の貴重品を盗めないように」

 

「金庫の置き場としていいんじゃない?」(防犯などに気を遣っているアピール)

子供もそうですが、ノックをせずに勝手に入ってくるお父さん・お母さんっていますよね。留守中に掃除をされたりするのも嫌な場所なので、両親が同居の場合は、意外と鍵を付けやすいかもしれません。

 

ブランドバッグや時計なども寝室に置くことになると思うので、貴重品を置く=鍵を付けるは違和感もないですが、「それならウォークインクローゼットに付ければ?」と言われかねません。寝室には置くけれどクローゼットに入れられないものを例に挙げながら、うまく説明しましょう。

 

土間収納いる?いらない?

土間収納の希望もいる・いらないが分かれるところです。

以前も書きましたが、盗難の心配、見栄えなどの問題で、割と部屋の中には上げたくないが、外に出しておくはちょっと…というものは多いもので、

 

・灯油タンク

・外用ほうき

・ベビーカー、三輪車、お年寄りの手押し車

・冬用タイヤ・洗車道具などの車用品

・ガーデニング用品

・日曜大工の工具

・スノーボード・ラケット・ゴルフバッグなどのスポーツ用品

・バーベキューセット・テントなどのアウトドア用品

 

家にあるこういったものの置き場を夫婦で話し合ってみてください。

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個人的にはあった方が良いと思います。

 

外部の物置きなども良いかもしれませんが、灯油がなくなった時に寒い中、外へ行くのもつらいです。ボードの板も、外部の物置では夏の暑さで変形しないか心配です。

 

 

打ち合わせを見ていると、ご主人は閉じこもれる場所、趣味のものの置き場がもらえれば、あとはどうぞお好きなように…というタイプの方が多いです。

ただ、いろいろな決めなければいけないものに口を出さず、奥さんに任せっきりだったくせに、奥さんが選んだ後にチラッと文句を言って怒られるという状況もよくあるので、任せすぎるのも良くないんですよね。

 

結婚式の決め事や、子供の名付けも、そんな感じで幾度となくピリピリしたことを思い出します(^^;)

奥さんに任せっきりにせず、相談にのる。奥さんが選んだものが気に入らないときは、相手の意見をくみ取りつつ、具体的な候補をあげ、選択肢を増やすように「これはどう?」とか、「自分はこう思うけど、どうだろう…」と聞くのが良いのかなと思います。

 

長く暮らしていくであろう家なので、お互い納得いくまで話し合いを重ねて、どちらの意見もくみ取りつつ、後悔のない家が建てられるといいなぁと思います。

 

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YU
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おうちを建てたい注文者と工務店などのつなぎ役「現場代理人」という仕事をしています。注文者・設計士・大工・業者との打合せから材料発注、現場指示、管理など、円滑に施工完了までをサポートします。義兄のお手伝いでおうち作りのアドバイス記事を執筆中。 子供のことや、奥さん手作りの子供の知育おもちゃも紹介しています。